2022/02/07(月)タブレットをモバイルモニタにする
ことの発端
在宅勤務の成果として、デスクトップのサーバーやラズパイやらと、やたらとデバイスが増えてしまいました。いちいち全部にディスプレイを用意するのも邪魔なのでということで、タブレットに映像を表示し、バッテリー内蔵モバイルモニタ的に使用できないかと考え調べてやってみたら、思いの外便利だったので紹介します。タブレットに限らず、ノートPCやAndroidスマートフォンでも同様の使い方ができますし*1、ソフトウェアのインストールも入力側だけでよいので、ソフトウェアのインストールが禁止されているようなデバイスからも出力ができ、非常に汎用性の高い手法だといえます。
モバイルモニタの不満点
正直、高いです。13.3インチフルHDくらいでも、怪しげな製品でも2万円くらいしますし、まともなものだと、通常の4Kモニタと同等以上です。そのうえバッテリーすら内蔵していない製品が多く、USB経由での画面出力 (DP alt mode) 非対応だとHDMIと電源供給のUSBケーブルが必要だったり、使い勝手も微妙であまり購入する気になりませんでした。拡張ディスプレイとして使用したいとき
趣旨とは異なるのですが一応紹介。割とメジャーな方法なので、アプリの名前で検索すれば使い方は大量に出てきます。有名どころはDuetDisplay (iPhone, iPad用, 有料アプリ)、Spacedesk (Android, iOS, 無料) 。両方使ってみた感想としてはSpacedeskのほうが少し遅延が少なくスムーズかな、という程度であまり変わりません。性能面だけであればあえてDuetを購入する必要性はあまり感じられませんでした。これらのシステムは、手軽に拡張モニタとして使用できる一方で、入出力側双方にソフトウェアのインストールが必要な上、特にSpacedeskはWiFi経由のみなので、社用PC等ではうまくいかない可能性が高いです。
つなぎ方と表示の仕方
必要なデバイス
Fire HD 10使用時の例。ノートPCに接続するなら、変換アダプタとタブレットは不要です。デバイス | 購入先 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|
USB-HDMIキャプチャデバイス | Amazon, AliExpress | \600-1200 | 納期と価格のトレードオフ |
HDMIケーブル | どこでも | \150-1000 | 細い方が使いやすい |
USB-C to A変換アダプタ | Amazon, 百均 | \110-500 | USB 2.0で良い |
Fire HD 10 | Amazon | \10000-16000 | - |
総額 | \11000-19000 | - |
USBキャプチャアプリのインストール
やっていることは単純で、要するにWebカメラをPCに接続しているのと同じことで、入力がカメラではなくPCの画面になっただけのことです。映像を表示させるためには、画面を表示させるデバイス側にWebカメラから映像を取得するアプリを入れてあげる必要があります。おすすめはAndroidだとUSB Camera*2、Windows PCであれば標準のカメラアプリで十分だと思います。
接続方法
まず接続します。画面を表示させたいデスクトップPCやラズパイとUSBキャプチャーデバイスをHDMIケーブルで接続し、キャプチャデバイスのUSBプラグをタブレットやノートPCに挿入します。必要に応じてアダプタを挟んで下さい。続いて先ほどインストールしたキャプチャアプリを立ち上げて下さい。Androidの場合、入力の許可の問い合わせが入るので、許可すると描画が始まります。
実用性とか
ゲームは不可能だと思って下さい。やはり、多少の遅延はあります。とはいえ文字入力中心ならそれほど気にならないですし、動画もスポーツシーンのような動きの激しいものでなければあまりストレスなく試聴できました。小型のモニタとしてPDFを表示させておくとか、ラズパイやサーバーの初期設定など一時的にモニタが必要、というケースにはとても便利で、離せない存在になりました。何事も適材適所といったところでしょうか。